呑み鉄plus~ベル・モンターニュ・エ・メール(べるもんた)

呑鉄朗

2019年01月19日 06:30

ベル・モンターニュ・エ・メール(べるもんた)/新春初乗り鉄・初呑み鉄

 北陸地方富山の冬は厳しい、強い風に大きな波そして降り続く雪そんなイメージが平成30年の冬だった。
 年が明けて平成最後の冬、年末年始は比較的穏やかに推移した。まだ松の内の6日、城端線新高岡駅〜氷見線氷見駅を結ぶ観光列車「快速べるもんた3号」と折り返し運行の氷見駅〜高岡駅を結ぶ「快速べるもんた4号」を楽しむことが出来た。
 今回は新春、初乗り・初呑みにご案内します、いつも訪問いただきありがとうございます。


 高岡から城端行の首都圏色のキハ47×2連の343Dを一駅乗車し、新高岡駅に降り立った。新高岡駅は、北陸新幹線との接続駅で駅前には、大きな商業施設が立地している。
 時刻は13:50に少し前。片面のみのホームにはまだお目当ての列車はない。しかし、ホームには、その列車を待ちわびる人達がホームのあちこちで到着を待っていた。見受けるに「鉄」とはほど遠い方々のようだ。鉄は私を含めてほんのひと握りだった。



 発車時刻の僅か3分ほど前に城端方から単行の気動車が見え、列車が近づくアナウンスが流れた。
深い緑に金色をまとったその姿は、トワイラトエクスプレスを思い出させるような品格を漂わせている。ホームに停車し乗降扉が開くと、待ちわびた人達が順序良く車内に吸い込まれていった。
 この列車は、城端線と氷見線で土休日を中心に運行されている観光列車快速ベル・モンターニュ・エ・メール(べるもんた)である。
 本日乗車するのは、1354発8366Dべるもんた3号(キハ40-2027×単行)氷見行きである。







 車内の造りがユニークで、進行方向右(氷見線では海岸側)はすべて窓(車窓)側を向いた独立の座席とカウンターテーブルが設置されている、一方左(氷見線では山側)は、既存のボックスシートと思われるが、大きなテーブルが設置されており、どちらの席でも食事や酒が楽しめる。
 また車内には彫刻された建具やデザインされた照明、吊革の握り手までもがお洒落感満載で非日常を味わうに相応しい作りだと感じた。
呑鉄朗が確保したのは14Aの二人席のボックス席の片割れ、丁度良いサイズのテーブルが据え付けられている。その上には、本日供食可能なメニューが置かれていた。

 定刻に8366Dは出発するが、乗客はこの珍しい車内を行ったり来たりする人や写メする人などで着席するには時間がかかっている。高岡駅に近づくと降雪地域以外では見掛けないラッセル車が車窓に見え、この珍しさがさらに着席を遅らせている。
 新高岡の出発時は5割程度の乗車で、東京の言葉や関西弁が飛び交う、地元方の利用というよりも観光客がメインであった。ただ今日に限ってかも知れないが外国人観光客は皆無であった。
 新高岡を出て僅かな時間で高岡に到着し(13:57)客扱いがある。



 このあと、このべるもんたでしか体験出来ない鉄的にはマニアックなことが行われる。
営業列車では、城端線(城端発)から氷見線(氷見行)への直通運転は行われていない。
高岡駅は、ホームを4面(島)有する大きな駅で城端線と氷見線は、その相反する両端のホームを使用している。両線の真ん中は、あいの風富山鉄道が使用しており、構造的にも直通運転は難しい。
 しかし「べるもんた」は直通運転をあえて行うため、城端ホームから一旦本線上に退避し、渡り線をいつくか経て氷見線ホームへ辿り着く。同じ高岡駅で二度も客扱いを行うのである。
 非営業列車では日常茶飯事であっても営業列車としてはこの「べるもんた」だけと車掌氏がアナウンスを流す。




高岡駅では、まとまった停車時間がとられ乗客も車外に出て記念写真などを撮ることができた。ここで更なる乗車があり8割方席が埋まる。もう空きのボックスが1つある程度となった。
 またこの駅から観光案内役としてボランティアガイドが乗車、本日は氷見出身の山下氏が担当される。この方から8366Dが停車中に乗客各人に「記念乗車証」が配られた。呑鉄朗も有り難く頂戴した。
車内が賑やかになり定刻14:25にディーゼルエンジンを轟かしながら高岡駅を出発する。




 車内では、ガイドの山下氏の案内が開始される。またこの「べるもんた」には地元「とやま鮨」のスタッフが乗車しており、車内で寿司や酒が提供される。
 事前予約客を中心に供食が開始される、本日は予約なしでも提供してもらえるとのことでありオーダー可能とのことであったが、折り返しの「べるもんた4号」で呑むことにして、3号はしっかりレポートしたいと思い、スタッフにその旨伝えた。




 8366Dは、越中中川、能町を通過し、伏木に停車する。ここでの乗降はなかったが、対向の540D普通列車と交換するため少々停車する。
ここまで車窓は工場地帯や住宅であったが、次の越中国分を通過後、一変する。富山湾沿いを行く。ガイド山下氏の案内もあり車内の乗客も一気に盛り上がる。



 8366Dは海岸を進み、雨晴駅の手前で撮影タイムと称し一時停車するサービス。雲が多く、晴れていれば見えるという立山連峰は残念であったが、それでも海岸の穏やかな波は楽しめた。
 続いて雨晴駅に停車すると、次は終点氷見、慌ただしくスタッフが供食の器を回収する。

 沿線では、パンダの被り物をまとった氷見市の方々から歓迎を受け、定刻14:58氷見駅に静かに停車した。
これから氷見の食を楽しむであろう乗客が下車していく、一部の「鉄」とともに折り返しの4号に再び乗車する。



 15:15発8564Dべるもんた4号高岡行は3号の乗客は大半が入れ替わっている。
呑鉄朗の席は、海側に沿った9番A席、窓も大きくて気に入った。


 乗車率は3号ほどではないが6〜7割程度はある。4号は乗車時間が短いので、発車間もなくスタッフの手が落ち着いた頃を見計らって寿司カウンターでオーダーした。
 今日のお目当は「ほろ酔いセット」、選べる日本酒とその日のつまみが提供される。



 海を眺めてしばらくして、「ほろ酔いセット」が運ばれてきた。呑鉄朗あまり日本酒は詳しくない。この前富山の寿司屋で、美味しいと感じた三笑楽(富山五箇山)を選択した。
 並々とついでもらって、さっそく乾杯!!!


 富山湾を眺めながら酒を。途中撮影スポットに停車するが、もう呑んでいるので、根が生えている。つまみと酒を楽しみながら、手持ちのwineも加わる。グラスがないのでラッパ飲みだ。



 のんびり線路を刻みながら8564Dは氷見線を進む。呑み鉄旅を心底楽しむ。
8564Dは、すでに伏木に停車。先程と同じように列車交換、呑鉄朗もう根が生えていた。


 そのまま呑むことを楽しんで終点高岡に到着する。



新春の初乗り・初呑みここで終了、みなさまにとって今年も良い年になりますように。

*ブログ掲載にあたりガイドの山下様、とやま鮨のスタッフ様の承諾を得ております。


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